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通年採用へ 「過渡期」 就活長期化には懸念も
こんにちは。
経団連は9日、就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」の廃止を正式決定しました。
これにより、採用に制限が無くなると、大学1年生から就職活動をするようなケースもあり得るのでしょうか。
通年採用を進める企業などからは歓迎の声が聞かれる一方、採用活動の長期化などを不安視する意見も根強いです。
この正式決定を受け、企業側が採用戦略の見直しを迫られるのは必至で、各社は政府の動きも見定めながら、売り手市場への対応を進めることになりそう。
「もはや新卒にこだわるより通年採用をしたい」とルールの廃止を肯定的に受け止めた上で、「白紙状態の新人を企業にあった職員へと成長させるには10年以上かかる。むしろさまざまな専門技能を持つ中途採用の即戦力を獲得したい」と前を向いている社長もいます。
経団連が会員企業向けに実施したアンケートによると、指針のあり方については、「広報活動や選考活動の開始時期の規定は削除すべき」とする意見が4割以上を占めたほか、指針廃止を求める意見も2割近いとの結果も出ています。
現行維持は約27%にとどまり、「指針取りやめに意外感はない」との声も聞かれています。
だが一方で、指針廃止で人材獲得競争の激化に対する懸念も大きいようです。
「これまでルールに従ってきた」とする大手保険会社は「内々定を出しても引き留めるためのコストや人員が必要」と嘆いています。
大手金融機関も「極端に早い青田買いや1年生から就活を行う学生が出るかも・・・。
学業やスポーツなど人間の幅を広げる大事な機会が損なわれるのでは」と指摘しています。
現行ルールの廃止を容認する企業からも「何らかのルールは必要」との意見が聞かれています。
自動車大手の関係者は「指針は会員企業以外は守る必要がなく不公平だったが、『何でもあり』となると学生生活に影響が出そう」と戸惑っています。
運輸大手の人事担当者は「働き方改革の中でいつまでも採用活動が続く状況に陥る」とジレンマを語っています。
指針廃止で企業側は採用戦略の練り直しを急ぐが、多くの企業は通年採用の検討と平行して「新卒採用も継続する」方針という企業もある。
政府が新たな指針策定に乗り出すとの観測も消えない中、「議論の行方を見守る」(大手製造業)との慎重姿勢も目立っています。
「新卒一括採用方式は必ずしも非効率ではなかった。(日本企業が)通年採用に移っていく過渡期にある」との見方を示しています。
一般社団法人 日本経済団体連合会2018 年3月 12 日改定
企業は、2020 年度入社の大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に あたり、下記の点に十分配慮しつつ自己責任原則に基づいて行動する。
なお、具体的に取り組む際は、本指針の手引きを踏まえて対応する。 記
1.公平・公正な採用の徹底
公平・公正で透明な採用の徹底に努め、男女雇用機会均等法、雇用対策法及び若者雇用 促進法に沿った採用選考活動を行い、学生の自由な就職活動を妨げる行為(正式内定日前 の誓約書要求など)は一切しない。また、大学所在地による不利が生じないよう留意する。
2.正常な学校教育と学習環境の確保
在学全期間を通して知性、能力と人格を磨き、社会に貢献できる人材を育成、輩出す る高等教育の趣旨を踏まえ、採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確 保に協力し、大学等の学事日程を尊重する。
3.採用選考活動開始時期
学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動について は、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。
広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降 なお、活動にあたっては、学生の事情に配慮して行うように努める。
4.採用内定日の遵守
正式な内定日は、卒業・修了年度の 10 月1日以降とする。
5.多様な採用選考機会の提供
留学経験者に対して配慮するように努める。また、卒業時期の異なる学生や未就職卒 業者等への対応を図るため、多様な採用選考機会の提供(秋季採用、通年採用等の実施) に努める。
以上